「報道文学」とは著者によるフィールドワークや実体験を通して制作された文学作品のことです。1935年、楊逵が「台湾被災地慰問記」を発表し、台湾における報道文学の先駆けとなりました。50年代、60年代の沈黙の時代を経て、70年代に入ると、高信彊らが新境地を開拓。80年代には『人間雑誌』がイニシアティブを取って報道文学は一気に盛り上がり、90年代以降、転機を迎えます。この特別展は台湾における報道文学の発展の歩みに沿って、「報道文学のあの頃、その時」、「『真実追及』の先駆け(1930年代以前)」、「氷山の下の伏流」(1945~1960年代)、「再び巻き起こる風雲、愛からの始まり(1970年代)」、「百花繚乱の春(1980年代)」、「きらきらと輝く満天の星(1990年代以降)」という6つのテーマを設定。そこには著者が遭遇した事件や歴史的変化など決して欠かすことの出来ないターニングポイントがあり、いかに冷静な眼差しと情熱に溢れた心でそれらを語るか、そして人の心を震えさせるような画像を通して、このジャンルならではの目線と批評力でその時代の社会問題にメスを入れました。