動物は人類の文学作品において、欠かすことのできない存在である。神話・詩・小説・散文・童話にはみな動物のトーテムイメージ・生活の描写・感情のやりとりがあり、擬人化されることさえある。これらは一般的に動物文学といわれ、人と「人以外の」大地の生き物との間の関係性も含まれている。
台湾文学の悠久の歴史のなかで、動物をテーマとした作品は当然少なくない。原住民族の文学には動物の精神と魂があり、古典的な漢詩には島国特有の鹿や鳥の足跡がみられる。日本統治時代の小説には苦労する哀れな子牛や馬がおり、現代主義文学の潜在意識からは動物から人間の原始的な獣性が見え、都市文学では優しく傍に居てくれる猫や犬がよく見られるが、当代文学のネイチャーライティングでは一転して、人類文明の膨張を再認識しはじめる。
動物は文字を必要としないが、人間が代わりに「動物文学」として綴ることで身体と命の経験の多様性を豊かにしている。旧約聖書のヨブ記には「獣に尋ねるがよい、教えてくれるだろう。空の鳥もあなたに告げるだろう。」という言葉があり、獣と鳥は深邃な自然界であるといえる。人類はここで人類を超える知恵を発見した。だからこそ人以外のものにならねばならない。
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